top of page

9月レッスンレポ②

執筆者の写真: Maki  YoshidaMaki Yoshida

今月は更にレポ追加。

シュー生地の工程のそれぞれの意味をご説明しますね。

このお菓子だけが不思議な工程の連続ですから。


≪シュー生地が膨らむイメージ≫


①シュー生地の表面にオーブン内の熱い空気が直接当たり、

表面が焼けていきます。


②生地の底部分が100℃に達すると水分が水蒸気に変化して

生地を押し上げ、空洞を作り始めます。

ここで底面がすべりやすいものは、生地底も浮いてしまうので

焼成後、穴があいたり、底面のみが薄い膜のようになってしまう

可能性があります。


③どんどん空洞が大きくなり、風船のように大きく膨れますが

生地表面は焼き固まっているので、空気の逃げ場がなく亀裂が入り

膨れるます。

ここまでがオーブンに入れてから開けてはいけない時間。約30~40分


④この後は乾燥焼きのため、オーブンを開けても大丈夫。

むしろ、蒸気の逃がすために必要。


≪材料の役割≫

水、牛乳、卵(液体): 加熱した時に水蒸気となり、生地を大きくふくらませます。

小麦粉: 生地の骨格

バター: 生地の伸びを促進

卵:焼成始めは生地の空洞を作るため。後に卵が焼き固まり、膨らんだ生地が

形を保てるように強度を増します。


≪ふるった小麦粉を一気に液体の中に入れるのは?≫

小麦粉全体に水分を吸収させて、一気に糊化を進めるための温度まで

あげていくため、一つの塊にしておきます。


 糊化とは

 デンプン(ここでは小麦粉)が熱水を吸収して膨らみ

 柔かくなって、のりのような粘りが生じること。


≪生地を再度火にかけて練り上げるのは?≫

一塊になった生地を、水分が飛ぶよう鍋底に広げることを繰り返して

目的の80℃以上を目指して調整することで、オーブンに入れた時に

生地が良く伸び、大きなヒビの入らない生地になります。


シュー生地を作る際に温度計で温度を確認しながら作業することは

ないですが(確認していたら、間に合わない!)、

そのために、見極めのポイントがありましたよね。

のんびりと火を通し過ぎてしまうと、90℃を超え、デンプンが凝固始め、

水分とバターの油分が分離するので注意が必要です。


≪全卵を加えるのは?≫

1膨らむために必要な水分を与えます。

2乳化によってバターや水の分離をさせないようにします。

3焼成時の皮を強固にします。


≪焼成時の温度について≫

オーブンの適温が見つかるまで、運が良ければ1回で見つかりますが

たいていは何回も試して適温を探します。


生地を焼いてみて、全体に膨らみが悪い、小さい場合は温度が低いです。

これは、生地に含まれる水分が水蒸気に変わるのに時間がかかります。

やっと水蒸気が出始めた頃には、外側の表面が焼き固まってしまうので

膨らまなくなります。


全体にこげた!、上面が平らになった!場合は温度が高いです。

温度が高いと一番先に熱があたる上面が焼き固まります。

生地が伸びようと思っても、ふさがれてしまうためです。


≪カスタードクリームの火入れ≫

カスタードクリームの炊き方も人によって異なりますが、

今回の炊き方はごく一般的なものです。

シュー生地同様、小麦粉に火を通すことがポイントです。


レッスン実習時に止め時は混ぜているホイッパーが

軽くなるまで!とお伝えしました。その詳細は以下の通りです。


小麦粉は95℃に達した時にとろみがついて最高の粘度となります。

もちろんこれでも良いのですが、カスタードの場合、ここで止めてしまうと

後に滑らかさがなく、粘りが強く、どこか粉っぽさが残ります。


更に混ぜることで、急に粘りがなくなり、トロトロになります。

これはデンプンのブレークダウン現象と言って、デンプンの一部が

加熱により切れることで起こります。

カスタードは冷やしてから使用するので、冷やすと固まるデンプンの性質を

考え、仕上がりをできるだけ滑らかな状態にして

おくことが必要です。


以上、シュー生地、カスタードの座学となります。

これをレッスン中にお話をしては、混乱を招き、手が動かなくなるので

控えさせていただきました。

あくまでも、生地作成のイメージであり、覚える必要はありません。

知識として頭の片隅にあれば良いと思います。











閲覧数:45回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page